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「お前達も知っとるやろうけど、バイクの盗難があった!」
「遊び心で盗みやらしよったら、つまらんぞ!」

ゆ~すけの友達である佐藤が窃盗の疑いで、停学・謹慎処分が下された。本人の意思で「退学」になるのは間違いないようだ。
「クロ!俺は何かの罪になるとやろうか?」
「そうやねぇ・・・ 盗んだバイクば預かっとるけんね」
「そうばってん、何~んも知らんかったつやけん!それでん俺も悪かつやろうか?」
何も知らなかったとはいえ、ゆ~すけはかなり凹んで、いつもの陽気さが消えていた。
「よかくさ!しらんかったって言えばチャンと解ってくれらすばい。意外と先生は解っとらすけん!」

この後、特にお咎めもなく、普通の日々が続いていた。

「ゆ~すけ!おるか?」
「おう!かおるやなかね、今日は何ね?」
「今日は休みやったけん、ボーリングに行こうかと思うてくさ!」
「よかね。行こ行こ!」「ばってん、他に誰か行くとか?」
「誘うてみようかと思とるとたい。田上くんとか江崎っくんに電話ばしてみらんね?」
結局、誘ったみんながボーリングに行く事になった。

3ゲームほど投げたあと、「コーヒーば飲もか?」
それから約1時間ほど時間をつぶしたあとに、「じゃ、そろそろ帰ろうか?」とゆ~すけ。
「そうやね。じゃ俺が送って行くばい」。
唯一、バイクで来ていた「田上くん」が、順番に送って行くといいだした。
「じゃんけんしよう!」 結果的にかおるが一番に送ってもらう事になった。
「相変わらず、DTは良かね!」ヤマハのトレール車で「DT250」はみんなの憧れの存在であった。
「ちゃんとヘルメットが2個有るやん!」。いつも田上くんは、ヘルメットを2個持って、バイクに乗っているのだが、一度も使ったことがなかった。運転する本人もである。

するとゆ~すけが「田上くん!ヘルメットば被った方がよかばい!かおるも被らんね!」と半ば強引に進めたのである。「よかよか、ヘルメットはヤジラシカもん」
「そぎゃん言わんで、被って行かんね!」

「江崎くん、チョット遅くなかね?」「そうやね。少しづつ歩いて行きよろうか?」
ボーリング場を出て、10分ほど歩いていると、200m先のほうに赤色灯が見え隠れしていた。
「なんやろうかね。事故やろか?」「ネズミ捕りやなかね?」少しづつ近づくにしたがって、それが救急車だという事が解ってきたのである。
「あそこのカーブになってるとこらしいね」「まだ警察の来とらんけん、事故ってすぐばい!」
「江崎くん!! あのオレンジのタンクはDTの・・・・・」

「かおる! しっかりしろ!」事故を起こしていたのは、さっきまでボーリングをしていた仲間『あの二人』だった。
「田上くん!立てるね?」救急隊員が担架を準備している間に、ゆ~すけは聞いてみた。
「大丈夫、歩けるけん。よかですよ。自分で乗るけん!」とさっさと救急車に乗って悠然としていた。
「かおる! しっかりしろっ!!」
二人は、右カーブを曲がろうとした時、道路の砂にハンドルを取られ、曲がり切れずにバス停のコンクリートブロックに衝突したらしい。
かおるは、バス停の下にあるブロックが足を直撃し、見るも無残に骨折しているように見えた。
田上くんの方は、既に救急車に乗っているので、詳しい事は解らないが、左足と左手からかなりの出血があり、チョット虚ろな目をしていた。
「ゆ~すけ!すまんばってんがくさ、バイクば家に持って行っといて」
それを言うと、救急車はサイレンを鳴らして、走り去った。

いつの間にかに到着していた警察車両。淡々と調べがあり、終わるのを待った後、ハンドルが無残に曲がったオレンジの「DT」を押して帰ることになった。
「エンジンば掛けてみようか?」とスタンドを下しキックペダルを一気に踏み下ろした。
幸いにもエンジンは掛かるものの、ハンドルは曲がって、ステップは折れて、乗れる状態ではない様に思われたが、「乗って帰ろう!」とゆ~すけ。
タン・タン・タン・タン と軽快な音を立てて、ゆっくりと走り出した。

「おばさん!! 田上くんが事故らしたばい!」バイクを止めて、家の中にそう叫んだ。
意外と冷静に「何処で?」  日頃より、気性が荒い母親で、言葉遣いも強力なのだが、何故か静かに聞いていた。こういう時は、怒る気力もないほどに『怒っている』時なのである。

詳しく説明を聞いたあとに、「で、何処の病院ね?」
『しまった!確認するのを忘れた!』

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